「前倒し」という言葉を聞くと、仕事の納期や提出物を思い浮かべる人が多いかもしれません。
ここで語らせてもらう「前倒し」は仕事だけの話ではありません。
前倒しが習慣になっている人は、仕事以外でも、貯金も、投資も、健康管理も、老後の準備も前倒ししています。
そう、一時が万事なのです。
そして、習慣がある人ほど、人生で「焦る」という場面が少なくなっていきます。
前倒しする人は、徹夜と無縁になる
仕事を締切直前まで残していると、当然ながら最後は忙しくなります。
「明日までに終わらせなければいけない」
そう思ってから一気に仕事を始める。
途中で電話が入る。
急な仕事が入る。
機械のトラブルが起きる。
すると予定が崩れ、さらに時間がなくなります。
最悪の場合、夜遅くまで仕事をすることになります。
一方、前倒しする人は違います。
締切が来る前に少しずつ進めておく。
できるなら早めに終わらせておく。
すると、予定外のことが起きても対応できます。
しかも、時間に余裕があるので、最後にもう一度確認することもできます。
誤りがないか。
抜けがないか。
もっと品質を上げられないか。
前倒しは、「余裕を作るための習慣」なのです。
余裕があるから確認できる。
確認できるからミスが減る。
ミスが減るから品質が上がる。
必ず納期を守った上で品質が上がれば、客先からの信用にもつながります。

提出物も、振り込みも、早めに終わらせる
これは日常生活でも学校生活でも同じです。
提出期限がギリギリになって書類を作るのではなく、早めに作って提出する。
振込期限の日に振り込むのではなく、余裕のある日に振り込む。
こうしておけば、「やらなければいけないこと」が頭の中に残り続けません。
後回しにしていると、
「まだやっていない」
「いつまでだったかな」
「忘れていた!」
という小さな不安が積み重なっていきます。
一つ一つは小さなことでも、それが何個も重なると精神的に疲れてしまいます。
だから、できることは先に終わらせる。
終わったものは、頭の中から消してしまう。
これだけでも、毎日の心の余裕は変わります。
そして、期限を守るだけではなく、余裕を持って対応する人は信用されやすくなります。
信用というものは、特別なことを一度することで生まれるものではありません。
こうした小さな行動の積み重ねで作られていくものです。

お金も前倒しすると人生が楽になる
前倒しの考え方は、お金にも使えます。
給料が入ったら、先に貯金する。
先に投資する。
そして、残ったお金で生活する。
いわゆる「先取り」です。
反対に、
「今月余ったら貯金しよう」
と考えていると、月末には謎にお金が残っていません。
「今月はちょっと使いすぎた」
「来月から貯金しよう」
これを繰り返していると、何年経っても資産形成が進みません。
だからこそ、先に未来のお金を確保しておく。
もちろん、生活費を削ってまで無理に投資する必要はありません。
自分の収入や生活に合った金額で、無理なく続けることが大切です。
大切なのは、余ったらやるのではなく、先にやるという考え方です。
そのためにも家計管理をバカにせず、しっかり数字で把握しておく必要があります。

老後の準備も前倒しする
そして、特に前倒ししておきたいものがあります。
老後です。
老後2000万円問題が大きく話題になってから、かなりの年月が経ちました。
しかし、必要な老後資金は人によって違います。
持ち家なのか賃貸なのか。
毎月いくら生活費が必要なのか。
年金はいくら受け取れるのか。
老後も働くのか。
旅行や趣味にどれくらいお金を使うのか。
こうした条件によって、必要な金額は大きく変わります。
だから「老後は2000万円必要」と一括りにするのではなく、自分自身の生活に必要な金額を考えることが大切です。
そして、まだ準備していないのであれば、今から始めればいい。
今が40歳、50歳であろうとも、気づいた日がスタートです。
老後まで15年以上あるなら、長期的な資産形成を考えることもできます。
投資信託などを活用し、長い時間を味方につける方法もあります。
一方、老後まで数年しかないのであれば、無理にリスクを取るのではなく、貯金なども含めて準備を考える必要があります。
重要なのは、
「まだ先だから」と何もしないことです。
未来の自分が困らないように、今の自分が少しずつ準備しておく。
これも前倒しです。

健康も前倒しで守る
老後の準備というと、お金のことばかり考えがちです。
しかし、健康も大切な資産です。
老後になってから健康について考えるのではなく、今から身体を大切にする。
食生活を見直す。
適度に身体を動かす。
睡眠を確保する。
健康診断を受ける。
どれだけお金を準備していても、身体が元気でなければ人生の選択肢は狭くなります。
反対に、健康であれば、老後も働きたいと思ったときに働くことができます。
趣味を楽しむこともできます。
旅行に行くこともできます。
だから、
お金も前倒し。健康も前倒し。
未来の自分を助ける準備を、元気な今のうちから始めておくのです。

出勤も約束も、少し早めに
時間についても同じです。
約束の時間にギリギリ到着するのではなく、少し早めに到着する。
出勤時間も余裕を持って家を出る。
これだけで、心の状態が変わります。
道路が少し混んでいても焦らない。
電車が少し遅れても慌てない。
忘れ物に気づいても対応できる。
そして、予定より早く到着したら、少し景色を眺めてもいい。
飲み物を飲んでもいい。
今日の予定を整理してもいい。
同じ一日でも、ギリギリで走り込むように始めるのと、余裕を持って始めるのでは、その後の気持ちが違います。
前倒しとは、人生を急ぐこととは考えません。
むしろ、ゆっくりするための習慣なのです。

今日と同じ明日が来るとは限らない
私たちは、今日と同じような明日が当然やってくると思いがちです。
でも、本当にそうでしょうか。
仕事の状況が変わるかもしれない。
収入が変わるかもしれない。
家族の環境が変わるかもしれない。
身体の状態が変わるかもしれない。
予想していなかった出来事が起こるかもしれません。
今日にでも天災が起こるかもしれない。
人生には、自分ではコントロールできないことがたくさんあります。
それなら「自分でコントロールできること」は、先にやっておく。
これが大切だと思うのです。
明日やる仕事を今日少し進める。
来月から貯金しようと思っていたなら、今月から少し始める。
いつか考えようと思っていた老後について、今日考えてみる。
健康になろうと思ったなら、今日の食事から一つ変えてみる。
小さな前倒しが、未来の自分を助けてくれます。
人生一発逆転の考え方から卒業しましょう。

人間には、未来を考える力がある
人間は、目の前の感情だけで生きている動物ではありません。
「今は面倒だけど、後で楽になるからやっておこう」
「今は少し我慢して、将来のために貯めておこう」
「今のうちに身体を大切にしておこう」
そんなふうに、未来を想像して行動する知識を授かっています。
これは人間が持っている大きな力です。
楽しいからやる。
面倒だからやらない。
欲しいから買う。
嫌だから後回しにする。
もちろん、そういう感情も人間らしさです。
しかし、感情だけに流されてしまえば、未来の自分が困ることがあります。
だからこそ、感情とは別に「少し先の自分」を考えてみる。
未来の自分にとって何が必要なのかを考える。
その答えの一つが、前倒しなのだと思います。

まとめ
前倒しをすると、人生は忙しくなるように思えるかもしれません。
しかし、実際は逆です。
仕事を前倒しするから、徹夜をしなくていい。
提出物を前倒しするから、締切に追われない。
振り込みを前倒しするから、忘れにくい。
貯金や投資を前倒しするから、将来慌てにくい。
健康管理を前倒しするから、未来の身体を守れる。
出勤を前倒しするから、焦らず景色を楽しめる。
つまり、今日少しだけ頑張ることで、明日の自分に余裕をプレゼントしているのです。
すべてを完璧に前倒しする必要はありません。
まずは一つでいい。
明日やる予定だったことを、今日少しだけ進めてみる。
給料が入ったら、先に貯金をする。
約束の時間より少し早く家を出る。
その小さな習慣が積み重なっていくと、人生から少しずつ「焦り」が減っていきます。
そして、余裕が生まれます。
人生に余裕が生まれると表情にもゆとりが生まれます。
表情にゆとりがある人は魅力的な人になり、人もお金も集まりやすくなってきます。
今日と同じ平和な明日が、必ず来るとは限りません。
だからこそ、平和な今日のうちに未来の準備をしておく。
明日の自分を、今日の自分が助ける。
それが、前倒しの本当の意味なのかもしれません。
人生を豊かにするのは、大きな決断だけではありません。
「少し早くやっておく」という、小さな習慣なのです。


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