遺伝子からのメッセージ
人間関係、職場、学校、趣味の集まりなど大勢の人と関わっていくと
「嫌悪感」を感じる相手が出てくることがあります。
うまく説明できないんだけど、あの人に近づきたくない、関わりたくない、なんか嫌だ、という感情。
これを必殺の“生理的に無理”と表現されます。
理屈が通らない感情です。
理由は「嫌だから嫌」なのです。
この直感を冗談で済ませてはいけません。
生理的に合うか合わないかという感覚は、人間に本来備わっている重要な判断基準の一つです。
「毛嫌いするのは人としてダメ」なんて模範解答を盾にして、無理に打ち消そうとする必要はありません。

遺伝子レベルの反応
心理学や神経科学の分野では、「好き嫌い」や「快・不快」の感覚は脳の原始的な部位で処理されることが明らかになっております。
論理や言葉による判断よりも前に、細胞が「合う・合わない」を察知しています。
この反応は、生存本能とも関係しており、人類が狩猟生活をしていた時代
危険な場所や敵対的な集団には近づかないようにして命を守ることに必要でした。
「明確な言葉にできないけど嫌悪感がある」
「あの人を見ると不快な気持ちになる」
という感覚は、脳と身体が警戒信号を出している証拠となります。
これはあなたの単なる気分やわがままではありませんので、安心してください。

無理に合わせると自己否定になる
現代社会では「協調性」や「相手に合わせる力」が強く求められる傾向があります。
学校や会社などでは「誰とでも仲良くすることが美徳」とされる場面も数多くあります。
しかし、自分の感覚に反して無理に誰かに関わろうとすると、内面では強いストレスがかかります。
感情を抑え込み、自分を偽って関係を続けることで、自己否定感も生まれる。
強いストレスや自己否定感が積み重なると、心身の不調や無気力状態にもつながります。
「違和感があるけど、みんな仲良くしているから」と思って無理に輪に加わることは、
自分を守る本能を否定する行為になります。
判断基準は他人の価値観ではなく、自分の内側にあるべきです。

判断材料となるのは「顔ぶれ」
ある集団が自分に合うかどうかを判断するのに、細かい分析や議論は必要ありません。
イベント、オンラインコミュニティ、SNSで盛り上がっている話題、その最中で中心にいる人たちを見て、「この人たちが自分の好きなタイプかどうか」で判断してみてください。
仮に、自分が尊敬できる人物や共感できる価値観を持っている人たちがその場にいるなら、自分もその世界に向いている可能性が高いです。
逆に、自分が苦手意識を持った人、価値観が合わないと感じた人が中心にいるなら、その世界とは距離を置いたほうがいいです。
シンプルに「盛り上がっている集団の顔ぶれをみる」ことで、生理的に合うかどうかで判断できます。

無理に居続けると消耗する
生理的に合わない場所に身を置き続けると、自己表現が抑制されていきます。
自分らしさを出せない環境では、能力や思考の発揮も制限されるため、成果も出にくいです。
そのため、周囲からも評価されづらく、努力が報われない状況に陥りやすくなります。
さらに人間関係に置いても摩擦が多くなりやすく、些細なことで誤解が生まれたり、トラブルの火種になります。本人の意図に関係なく、「なんとなく気に入らない」といった不当な評価を受けることもしばしば出てきます。
生理的に合わない環境に長くいればいるほど、悪い複利効果が効いていき、自己肯定感が下がり、メンタルにもダメージが蓄積されていきます。生理的な違和感が最初に出た時点で、その場から距離を取る判断ができるかどうかが、人生を好循環にしていく鍵になります。

合う場所は居心地が良い
自分に合った人や場所に出会ったときは、無理に会話をしなくても自然に会話ができて、沈黙も苦にならない。表現も誤解されにくく、汲み取ってもらいやすい。
「自分を守ろうとする防衛本能のスイッチ」が入らない
この状態でこそ、本来の思考力や行動力が自然と発揮されていきます。
自分らくし居られる場所では、挑戦することへの不安も少なくなり、継続力も高まります。
このように自分の「生理的に合う合わない」感覚を信じて居場所を選ぶことは、能力のパフォーマンスや人間関係、人生全体の幸福度に直結していきます。

まとめ
生理的に合う・合わないという感覚は遺伝子レベルの本能であり、無視する必要はありません。
無理に合わせることは自己否定につながり、長期的に大きなストレスを招きます。
自分に合うかどうかの判断は、集まっている人たちの顔ぶれを見ればわかります。
合わない場所では能力が発揮できなく、トラブルも起こりやすくなります。
合う場所では、自分を守る必要がなくなり、自然と前に進めるようになっていきます。
自分の感覚は、自分が思っているより意外と正しいものです。
理由や理屈ではなく、身体が発しているシグナルを無視しないでください。
自分がどこに属するかを決める基準は、周囲の顔ぶれが自分に合っているかどうかで判断できます。
他人の基準ではなくて、自分の感覚を基準にすることを大切にしたほうが、結果的に人生が楽になっていきます。

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