おいしい儲け話に乗るな

仕事・働き方

世の中には、次から次へと「おいしい儲け話」が登場します。SNSや動画広告、LINEのメッセージなど、あらゆる手段で「誰でも簡単に」「何もしなくても収入が得られる」といった誘い文句が今日も飛び交っています。

このような話に興味を示す人と、最初から無関心な人の間に明確な違いがあります。

それは“好きな仕事で生きているかどうか”です。

詐欺に遭いやすい人の特徴

実際に過去の消費者庁や国民生活センターの調査でも、詐欺被害に遭った人の多くが、「高収入」「短期間でたくさん稼げる」「簡単で誰でもできる」といった言葉に強く反応していることが報告されています。

「楽に稼げる話」が好きな人は、基本的に今の生活や仕事に満足していません。現状の生活が苦しい、自分の働きに方に疑問を持っている、借金を抱えている、給料が少ない、仕事が面白くない。このような不満が前提にあります。

不満がある状態では、「面倒な努力なしで収入を得たい」という気持ちが強くなり、冷静な判断が鈍ります。

その結果「この話はおかしいのでは?」という思考が働きにくくなって、詐欺や悪質ビジネスの餌食になっていきます。

仕事が好きな人は“楽に稼ぐ話”に興味がない

大好きな仕事に熱中している人は、「おいしい儲け話」に無関心です。

理由はシンプルです。

目の前の仕事に集中しているため、「別の方法で楽して稼ごう」という発想自体が浮かびません。

収入の大小に関わらず、本人にとってはすでに“豊かさ”を感じています。

やりたいことをやれている、人の役に立てている、自己成長を実感できるため、「もっと得たい」という執着心や欠乏感が和らいでいます。

このような状態にある人に「楽して稼げますよ」という話を持ちかけても、響きません。

そもそも論で、自分が心からやりたいと思って選んだ仕事で稼いでいる人にとって、金銭的報酬は目的ではなく副産物になっていきます。副産物を目的化してしまう人と、そうでない人の間には、絶対に埋まらない価値観の差があります。

大半の人は仕事が嫌い

日本労働組合総連合会の2024年11月の調査では、仕事・職場・人間関係に対する不満がある人は66.2%にも及ぶ結果が出ています。

建前では「仕事にやりがいを感じています」「社会貢献ができる仕事です」と言いながらも、本音では、「本当は辞めたい」「給料のために我慢している」と感じている人が多いのが現実です。

このような背景があるため、「苦労せずに稼げる」という言葉が魅力的に響きます。しかし、そう思っている限り、いつまでも「自分の外側」に希望を求めてしまいます。

自分の外側に希望を求めていると、詐欺や搾取ビジネスに「金銭と時間と意識」を奪われるリスクは高まっていきます。

「好きなことを仕事にする」で変わる意識

「好きなことを仕事にする」という選択は、給料アップを保証するものではありません。

むしろ最初は収入が下がる場合がほとんどです。

しかし、それでも人生の手応えは明らかに変わっていきます。

日々の仕事に意味を感じるようになり、自分の時間を「誰かの感謝」に変えているという実感ももてます。

この実感がある限り、人は簡単に「別の楽して儲かる道」に目を向けなくなります。

本質的な意味での満足感は、自分の外側から勝手にやってくるものではなくて、自分の内側から湧きあがるものなのです。

面倒なことや困難に立ち向かう覚悟が持てるのは、今の仕事を「自分の意思で選んだ」と胸を晴れるからです。

好きなことを仕事にしている人にとっての“おいしい話”とは

「好きなことで生きられる環境を手に入れる」ことそのものです。

まとめ

「おいしい儲け話」に弱い人は、現状の環境に満足していない人が多い。

大好きな仕事をしている人は、そもそも楽に稼ぐ話に興味がない。

詐欺に遭うリスクは「仕事=我慢」と思い込んでいることが原因になりやすいです。

好きなことを仕事にすると収入が増える保証はありませんが、精神的に豊かになれます。

本当に“おいしい話”は「自分で選んだ仕事で生きられる環境を構築すること」です。

甘く耳障りのいい話が近づいて、心が揺れて迷いが生じたときこそ、自分の働き方を見直すタイミングといえます。

楽に儲かる方法を探すより、納得できる働き方を手に入れる方が、結果的に遠回りのようで最も確実な道です。

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