悩みに寄り添う

自己成長・メンタルケア

悩みは理解できなくても、寄り添うことはできます。
助けたい気持ちが空回りしているあなたへ。

伝わらないもどかしさ

大切な人が悩んでいる姿をみると、なんとかして力になりたい。
自分の経験からアドバイスをして、問題を解決して少しでも早く楽になってほしい。
けれど現実は、なかなか上手くいかないことが多いものです。

せっかく言葉をかけたのに、相手が行動に移してくれない。
逆に、距離ができてしまった気がする。
このようなもどかしい思いも抱えたことがあるのではないでしょうか?

このようなときは「相手の悩み完全に理解することはできない」という前提をおいてください。

理解できないとしても、大切な相手の悩みに寄り添うことはできます。

悩みを「理解すること」は不可能

人はそれぞれ、性格も、生きてきた環境も、価値観も異なります。
家族であっても、親友であっても、完全に同じ立場にたつことはできません。
家族は単に同じ血縁なだけであって、同じ個体ではありません。あたなとは完全に別の人です。

同じような経験がなければ、その深さを本当の意味で感じることは難しいです。
大失恋、いじめ、病気、死別、職場での孤立、すべての苦しみは“当事者にしかわからない”ものです。

まず自分には「わからない」という事実を前提にしてから「わかってあげたい」という行動にしていきます。

アドバイスが空回りするとき

人は善意からアドバイスします。
それ自体は悪いことでもありません。

しかし、相手がアドバイスを求めていない時に助言すると
「押し付けや」「説教」に聞こえることもあります。
ましてや悩みの真っ最中にいる人にとっては
正論や模範解答よりも“ただ話を聞いてほしい”という気持ちの方が強いときのことが多いものです。

このとき大切なのは、自分が「何を言ってあげられるか」ではなくて、
“どれだけ相手の気持ちに寄り添えるか”を意識してみることです。

そして相手が悩みを話して、あなたの回答や考えを求めてきたときに
誠心誠意、アドバイスをすれば大丈夫です。

打ち明けてくれない「悩み」は会話の中にヒントがある

ときには相手が悩みをはっきり言葉にしないこともあります。
恥ずかしさや、プライド、関係性の距離によって、心の内を見せられないこともあります。

そんなときは、普段の会話に注意を向けてみてください。

  • 繰り返してくる話題
  • やけに熱く語る話
  • 過去のことにやたらこだわっている様子

そういった話の奥には、満たされていない何かが隠されていることがあります。

相手が足りていない部分を、あなたが少しでも満たしてあげることができたら
それはアドバイス以上の「精神的な支え」にもなるはずです。

話を聞くだけでも、心は軽くなる

悩みの深さに関係なく、人は話すことで自分の気持を整理していきます。
聞き手に求められているのは「解決」よりも「共感」の場合が多いものです。

  • 話の腰を折らずに最後まで聞く
  • 否定せずに「うん うん」と、うなずく
  • 自分の意見は求められたときだけにする

それだけでも、相手の心には安心感が広がります。
「この人になら話しても大丈夫」と思ってもらえること自体が、悩んでいる人にとって、大きな癒やしになっています。

理解できなくても、そばにいることはできる

  • 大切な人を亡くしたことがない人に、喪失の苦しみは理解できません。
  • 大失恋をして失意のどん底を経験したことがない人に、心の痛みを想像することができません。

たとえ経験したことがなくて理解できなくても、
その人のとなりに寄り添い、ただ一緒にいてあげることはできます。

言葉ではなく、「存在」と「いつも通り」が安心の力になることもあります。
寄り添うとはいうのは「助ける」ことではなく、「心を寄せて共に歩く」ことなのです。

まとめ

人生に人の悩みは、切り離せない存在です。

そしてどんなに近しい関係でも完全に悩みを理解することはできません。
「理解できないから無力だ」と感じるか「理解できないからこそ丁寧に接したい」と思えるかで、相手との関係の深まりは変わってきます。

本当の優しさとは、相手の悩みの正解や模範解答を伝えることではなく
理解しようと心を尽くす姿勢、そして否定せず、共感しながらそばに寄り添ってあげること。

アドバイスも、求められていないときは意味を持ちません。
けれど、話を聞くこと、うなずくこと、見守ることには、想像以上の力があります。

人は、理解されなくても救われることがある。
そして、悩みの苦しみから救ってくれるのは、そばに居続けてくれる人の存在です。

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