もっとお金が欲しい。もっと愛されたい。もっと自由に生きたい。
そんな願いを抱えながら、なぜか同じ毎日を繰り返し過ごしてしまっている。
本気で変わりたいと決意したのに、なぜか足が止まる。
「今日こそは◯◯するぞ」と思っていたはずなのに、気が付けばいつもの習慣に戻っている。
この現象は、意思が弱いからでも、能力が足りないからでもありません。
人の深層には、「今の自分」を維持しようとする強烈な力が働いています。
無意識のブレーキが変化を止める
人の脳は、変化を「危険」とみなします。
たとえポジティブな変化であっても、未知の領域に入ることを無意識に拒んでいます。
長年、お金に困ってきた人が急に大金を手にした場合、驚くほど早く散財してしまうことも少なくありません。
理屈では「貯めるべき」と理解していても、心が「お金がある状態」に耐えきれず、元の“落ち着く場所”へと戻ろうとします。
モテる人が無意識に「好かれる言動」を選び続けるように
愛されない自分を受け入れてしまっている人は、誰かの好意すら疑いの目でみてしまいます。
「きっと何か裏がある」「この人そのうち離れていく」
このように自ら距離を取る。
この現象もすべて「今の自分でいようとする無意識の抵抗」によるものです。
変化が難しいのは、心が“安心できる現状”に戻ろうとする仕組みを持っているからに他なりません。

遠くの目標ほど焦りが生まれる
目標が大きければ大きいほど、到達までの距離が遠く見えるものです。
「こんな自分にできるはずがない」と自信を失う。
努力の最中で小さな失敗が起こると「やっぱり無理だった」と投げ出したくなる。
しかし、大きな変化は「小さな一歩」の積み重ねでしか生まれない。
例えば、禁煙を目指して一週間タバコを我慢した人が、ある日に一本だけ吸ってしまったとする。
このとき、多くの人が自己否定に陥ります。
「やっぱり自分はダメだった」「意思が弱い」などと考えがちです。
一週間でタバコをたった一本に抑えられたなら、確実に進歩と言えるのです。
以前は1日に40本吸っていた人が、280本(40本×7日)分の習慣に逆らったという事実があります。
「吸ってしまった」よりも、「吸わずにいられた」ことに目を向けなければなりません。

小さな一歩が習慣を塗り替えていく
- 体重が100グラム減った
- 朝10分早く起きられた
- 余計な一言を我慢できた
- 会釈だけだった人に、きちんと挨拶ができた
これらは表面的に小さな出来事に見えますが、こうした小さな小さな一歩の変化こそが
“未来を変える力”になるのです。
人の無意識に新しい情報を刻むには「できたこと」に感情を結びつけることが必要です。
「新しい」「誇らしい」「ありがたい」といった気持ちをセットで味わうことが、記憶をアップデートできる力になります。
この喜びの記憶が増えるほど、潜在意識が「新しい自分」を“安心できる存在”として認識していきます。

最初の成長は誰にも見えない
今までの安心を手放して未知の世界に触れる行為だから、変化することには不安が伴うものです。
不安を少しでも和らげることが「小さくてもできたことに目を向けてみる」ことです。
完璧を求めず、理想に届かなくても「前よりマシになった自分」を素直に喜んでみてください。
小さな小さな成長の芽は、最初から誰の目にも見えません。
ましてや自分自身ですら、うっかり見逃してしまうほど小さいです。
誰かに褒められるより先に、何よりも自分が気付いて上げられるように日々、自分を内省する時間を持つようにします。

まとめ
人生は習慣で出来ています。
習慣が少し変われば、収入も、人間関係も、時間の使い方も変わっていきます。
一発逆転なんて必要ありません。
ギャンブル要素なんて人生に必要ありません。
誰かが見逃すほど小さな一歩。
この一歩も自分にしか踏み出せないものです。
すでに「変わりたい」と思った瞬間から、変化は始まっているのです。
今日、「小さな出来たこと」を誇らしく思ってください。

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