「夢は口に出したほうがいい」「言葉にすれば叶う」
このように自分の夢をあちこちで語っている人もいるのではないでしょうか。
自己啓発書やインフルエンサーの方の投稿では夢を語ることの大切さが繰り返し語られています。
自分への宣言になり、応援してくれる人も現れるかもしれませんが
綺麗事を抜きにしたら、現実はそこまで甘くありません。
夢は“吹聴”した瞬間から、叶わなくなるリスクが一気に高まっていきます。
理由は「人間の特性」と「無意識の力学」にあります。
吹聴は嫉妬と干渉を呼び込む
夢を語ると、ほとんどの場合「そんなことは無理だよ」「もっと現実的に考えて」と返されます。
この言葉を聞かされた側は「いや、自分は絶対できる!」と言い返すことはできるだろうか?
多くの人は、この否定の言葉に呑まれていきます。
こんなときだけ、急にお利口さんになって「たしかに自分には無理かも」「言われてみれば、そうだよね」と自ら夢にブレーキをかけてしまいます。
いわゆる、「ドリームキラー」だったり「◯◯ブロック」といわれるやつです。
なぜ、このような否定的な反応をされるのか?
答えはシンプルです。
「他者の挑戦は、自分の無力さを突きつけられてしまう」からです。
特に夢を語る相手が、友人、同僚、親だったり近しい存在だったりすると、その傾向は強いです。
家族であれば善意から、本人を心配したり過去の経験から“現実的なアドバイス”をしますが、結果として無意識にブレーキを掛けさせられてしまいます。
- 友人・同僚の場合
現状維持バイアスが強く働き、仲間内のルールや風土から逸脱することへの警戒が強まりやすく、「あいつだけうまくいくのは許せない」という感情が、無意識に心の奥に潜んでいることが多々あります。
毎日のように接しているため、無意識に「今のままで自分たちと同じで居てほしい」と思いやすい環境になっています。
そして厄介なのは、表では応援しているフリをしながら、裏では完全犯罪のように足を引っ張ってくる人間も少なからず存在しています。
- チャンスを潰すようなウワサを流す
- 人脈を遮断する
- 関係者や権力者にネガティブな印象を与える
あなたから生まれた「夢の芽」はとても繊細で小さくて壊れやすい。
この状態の時に不用意に吹聴すれば、簡単に踏み潰されてしまいます。

「変化する人」を全力で止めに来る人
夢を持つということは少なからず「今の自分から変化する」ことです。
しかし、周囲の人は「今のままのあなた」でいてほしいものです。
- サラリーマン仲間が急に起業を語りだす
- 同期が急に副業で月収20万を稼ぎ出す
- 友人が突然「海外で仕事する」と発信している
- 年下の部下が、ごぼう抜きで昇進していく
人は無意識に自分の“安心できる範囲”に他人を閉じ込めようとする心理が働きます。
この安心は「お前も俺と同じくらい苦労してろ」という無意識の同調圧力です。
こういったドリームキラーと呼ばれる人たちに、夢を語るたびブレーキを掛けられてしまします。
本人は良かれと思って忠告しているが、実際はただの自己防衛に過ぎません。

応援者はごく一部
夢を話すことで、誰かが応援してくれる。
このような理想を描くことは間違ってはいませんが、
現実には「本当の応援者」は驚くほど、少ないものです。
- あなたが結果を出した途端に近づいてくる
- アドバイスと称してマウントを取ってくる
- あなたが落ちぶれた時だけ寄ってくる
このような人間関係に囲まれた中で、夢を話すことは、まさに「カモがネギを背負って歩いている」ようなものです。
「人の不幸は蜜の味」他人の不幸や失敗を見ることで、無意識に快感や満足感を覚えるという人間の心理をついています。

夢は“静かに育てる”もの
それなら、夢を語らずに黙っておけばいいのか?
答えはYESになります。
夢は「守らなけば叶わないもの」だからです。
本当に叶えたい夢があるのなら、実現させるまでは、なるべく人に話さないこと。
目標は内に秘めて静かに動く。
自分だけが知っている夢だからこそ、外部の影響や困難に邪魔されることなく育てられます。
そして外部の影響を受けないレベルまで結果を出した時、語ることをすればいいのです。
実績が伴えば、誰ももう否定できません。
本当に人生を変えて夢に近づいて行っている人は、夢を語るよりも「行動」で示しています。
周囲に宣言するより、黙って手を動かしています。
気付けば口より手が先、頭より身体が先に動いています。
夢は“吹聴”して言霊を分散させるより、“自分の中で温めて育てる”からこそ近づくことができます。

まとめ
夢は語れば語るほど、否定・嫉妬・妨害にさらされることになる。
否定されると、自分の中の自信が削られていく。
応援してくれる人は本当に少数
実現するまでは話さず、静かに淡々と準備を進める
行動で示した人が、着々と夢に近づいていける
夢を守れるのは自分だけ
吹聴せず、黙々と進んでいきましょう。
この静かな努力こそが、夢に近づくことができる最短ルートになります。

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