人を雇用するようになって、税金に対しどのような姿勢を持っているかで、生きていく出で立ちが個人個人まるで違ったように感じた。
国や自治体が用意した補助金や助成金、生活保護、失業保険といった制度がある。
これらは本来、本当に困っている人を救うために作られた素晴らしいと思える仕組み。
この救済制度を知っているにも関わらず、条件も満たしているのに遠慮して使わない人も一定数いる。
水を飲みきった砂漠を彷徨っている時に、水筒を差し出されても「いや、自分は大丈夫です」と断るようなもの。
命をつなぐための制度を使うことは、決して恥でもなんでもない。
一方で、この制度の扱い方を間違えると、人生そのものに損害を出している可能性がある。
本当に必要なときに使い、補助や助成金に依存しすぎないという姿勢が大切になる。
補助金は「ついで」に受けるくらいが丁度いい
補助金や助成金は条件さえ合えば受けっていい制度であり権利もある。
ただし、補助金を受け取ること自体を目的に事業の舵を動かすと、多くの場合は割に合わない。
書類作成や審査、報告義務、使用制限などの手間やコストがかかり、本業のエネルギーが削られてしまう。
本業でやっている活動が、たまたま制度の対象になる場合、このときに申請して受け取るくらいがコスパが合って自然な流れになる。
補助金の適用範囲に収まろうとすると、返って事業が伸びなくて機会損失も出てしまう。
要は、「補助金ありき」ではなく、「活動ありき」が正しい順番になる。

命を守る制度は迷わず使う
生活保護や医療費助成、高額医療費制度など、命に関わるような状況では迷わず申請すべき。
プライドや周囲の目を気にして制度を使わずに適正な医療処置を受けなかったり、命を落とすことほど勿体ないことはない。
生活が立ち直れば、税金や社会保険料として社会に返すこともちゃんとできるので負い目なんて感じなくていいい。
制度は国民全員が支え合うために存在しており、いざという時のための日本公式の保険となる。

未曾有の災害時は支援を受ける
新型コロナのような国全体を揺るがす事態では、補助金や特別給付金を受け取る判断は合理的になる。
経済が止まり、従業員や事業主の生活に深刻な影響が出る中で、事業が持ちこたえるための資金は、まさに命綱になる。
こうした非常時の支援は「存続させて再び軌道にのせる」ためにある。
遠慮して耐えてしまうことは、自分だけではなく、従業員や家族を露頭に迷わせることになる。

保証に依存しすぎると、成長が止まる
厳しい現実をここでは伝えたい。
失業保険を本来の期間いっぱいまで受け取り、さらに延長までして税金を貪り尽くす人で
人生を豊かに生きている人や、継続的な成功をしている人と出会ったことがない。
本当は働けるのに、働く意思を先送りし過ぎる人でうまくいった事例はほとんどであったことがない。
一時的な休養や再就職活動の準備期間として制度を利用するのは至極当然で健全。
しかし、期限の延長を前提に生活を組み立ててしまうと、自分の力で前に進む成長が鈍くなっていく。
人間は良くも悪くも環境になれる生き物ゆえ、収入が保証されたぬるま湯のような状況が長引けば、率先して行動する理由がどんどん薄れていく。
一見、「保険金は可能な限り目一杯引き出した方が得だ」と思いがちだが
実際はさっさと働く環境を整えて、本腰を入れていったほうが、保険金より収入が上回っていくもの。

支援は「未来に進むための切符」
補助金や保護制度は、未来へ向かうための切符のようなもの。
切符を握ったままホームに座り続けても、当然だが目的地にたどり着けない。
列車に乗って、駅に到着したら列車を降りて、自分の足で目的地まで歩き出さないといけない。
制度に頼る期間を、自分の準備や回復に全集中する時間として使えれば、その後の人生は大きく変わる。
逆に「補助があるからまだ大丈夫」と動かずにいると、気付かぬ内に選択肢が狭くなっていく。

自分の意思で「歩いていく」タイミングを決める
制度を必要な時に使用するのは懸命な選択。
ここで、本当に差が出てくるのは「制度を降りて自分で歩いていくタイミング」だ。
誰かに期限を切られてから動くのではなく、自分の意思で動き出すことが重要になる。
支援はあくまでスタート地点に戻るまでの助走路。
そこから先は自分の足で歩んでいかなければならない。

まとめ
- 補助金は活動のついでに届く範囲で受け取るくらいが最適
- 命に関わる制度は迷わず使う
- 災害時はもちこたるために支援を受ける
- 長期の依存は成長の動きを止める
- 支援は未来へ進むための切符、自分の意思で歩くタイミング決める
支援制度は、正しく使えば人生を救う力を持つ。
ただし、使い方を間違えると、自分の中のやる気や判断力を奪う諸刃の剣にもなり得る。
制度を適切に使用して、あなたが社会活動を再開させたときにまた納税して、社会に貢献していけばいい話。

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