「選ばなかった道」を美化しすぎないために
「もしあのとき、別の道を選んでいたら....」
人生のある地点で、そんな風に思い返すことってありますよね。
- あの会社で仕事を続けていたら、もっと安定していたかも。
- あの人と別れていなければ、苦労しなかったかもしれない。
- 挑戦しなければ、傷つかずに済んだのではないか。
こうした“選ばなかった選択肢”は、振り返るたびに、なぜか「美化されて良く見える」ものです。
はたして“選ばなかった選択肢の先にある道”は本当にあなたにとって良い未来を連れてきたでしょうか?
それは、私たちが都合が良いように作り上げた“まぼろし”かもしれません。

「もう一つの道」は、都合よく編集された幻想
人間の脳は不思議なもので「選択しなかった方のもう一つの道」を想像するとき、リスクや苦しみを取り除いた形で考える傾向があります。
もう一つの道を「もっとうまくいった未来」と想像してしまうものです。
想像の中では選ばなかった方の道は、順風満帆でトラブルも少ない。でも、もし本当にそちらを選んでいたら、別のストレスや問題、もしくは今以上の困難に直面していたかもしれません。
たとえば、「あの人と離れていなかったら、もっと幸せだったかも」と想像しているけど。。。
- 暴言や暴力に耐える日々が続いていたかもしれない
- 自分らしさを抑えながら生きていたかもしれない
- 自分が見下されて、バカにされた日々を過ごしていたかもしれない
- 経済的に依存しすぎて自立できなかった思考停止人生だったかもしれない
そういった現実の可能性を忘れて、「選択しなかったもう一つの道」の世界を良いイメージで塗り変えてしまう。
それは今の人生から目を背けている状態とも言えるでしょう。
起こらなかったこと“未然防止”に目を向けてみる
私たちは日々、「何かが起こったこと」にばかり目を向けがちです。
実は「起こらなかったこと」にも、とても大きな価値があります。
それは見えないところで誰かの努力がや活動によって守られているから、あるいは自分が選択したからかもしれません。
飛行機が無事に目的地に到着すること
飛行機に乗って目的地に辿り着く。当たり前のように思えますよね。
しかし、裏ではたくさんの人が働いています。
整備士が細かいところまで点検して、故障に繋がる小さ異常を見つけては、修理をしてくれています。
そのおかげで「事故が起こらなかった」という大きな安全が守られています。
つまり「起こらなかったこと」は、確かに誰かが守ってくれた成果なのです。
自分の選択で守られていたこともある
人間関係や環境でも同じことが言えます。
たとえば、過去にある人と離れたことで
- 毎日感じていたストレス
- 心がすり減るような同居生活
- 自分らしくいられない空間
こういったことから、あなたは解放されたはずです。
もしあの時あの人と別れていなかったら、うつ病や体調不良になっていたかもしれません。
未来のトラブルを防いだ決断の結果が、今の穏やかな毎日なのです。
「起こらなかったこと」に芽を向けるのは少し難しいですが、意識していくことで少しずつ気付けるようになり、人生に感謝の気持ちが増えていきます。
- 誰かが支えてくれたおかげで、何も問題がおきなかった
- 自分が勇気を出して選んだとで、未来の苦しみを防げた。
この視点を持つことで「嫌なことが起こらなかった」の感謝が見えてきます。
すでに幸せは起こっているのです。
今いる道を意味あるものに変える
もう一つの道を美化していても、私たちは過去には戻ることはできません。
人生は選択の連続。そして、今の自分は過去の選択の結果です。
あなたが今いる場所こそが現実であり、この現実の価値を高められるのは、あなたの選択と行動だけです。
選ばなかった道を想像するより、今の道を最良にしていくことに全集中です。
どんな道も、最初は「これでよかったのか?」と不安になるものです。
それは日々の行動の積み重ねと、自分の意志しだいで“意味のある道”へと変わっていきます。
選ばなかった道を想像して一喜一憂するより、今の道をより良くする方がずっと現実的で力強い選択です。
まとめ
「何も起こらなかった」=「何もしていない」ではありません。
むしろ見えない努力や選択の積み重ねが、あなたの平穏な毎日を守ってくれているのです。
あなたの選択で得られた「今ここにある自由」や「解放されたストレス」は紛れもなくあなたが掴んだものです。
あなたが歩んでいる“今の道”に誇りを持って進んでください。

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